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2019年11月15日金曜日

スムシ予防剤(セルタンB401)の試験結果

皆様こんにちは。

本日の担当は藪田です。

今回は、以前紹介したスムシ予防剤(セルタンB401)の試験結果を紹介します。


まずは試験内容の復習から。

【目的】
セルタンB401のスムシの予防効果を検証する

【方法】
試験①
セルタンB401を噴霧した巣碑としていない巣碑でスムシの発生状況を調べる。

試験区:噴霧した巣碑10枚
対照区:噴霧していない巣碑10枚
期間:2019/08/16~2019/09/30

試験②
既にスムシが発生してしまった巣にも効果があるのかを調べる。
←小さな幼虫には効果があるが、大きな幼虫には効果があまりないらしいのでそれに関して
  も調べる。

試験区:噴霧した箱
対照区:噴霧していない箱
※試験区・対象区共に100頭以上のスムシの老齢幼虫が発生しているものを使用
期間:2019/08/16~2019/09/30

こちらは試験開始時の写真です。
右側の4箱が試験①で、左側の2箱が試験②です。


以下試験結果の報告です。


今から箱を開封しますよ~ ドキドキですね!!!



まずは試験①から
試験区(噴霧した方)の写真


 

 !!!
なんと、全くスムシが発生していませんでした!

 
多少食い痕がある巣もありましたが、小さな幼虫達は皆このように死亡していました。


次は対照区(噴霧していない方)の写真 



!!!
試験区とは異なり、こちらは大量のスムシが発生しておりました!

こんな感じで中を見るともうスムシだらけです。
白い糸状のものは幼虫が出した糸で、いわゆる“スムシの巣”です。

拡大するとこんな感じです。
もうボロボロですね...






成虫も内部でたくさん発生していました。




次は試験②の結果です。

この2枚の写真はそれぞれ試験区(噴霧した)と対照区(噴霧していない)のものですが、
どちらもスムシはほとんど発生していませんでした。
試験①とは違い、こちらは試験開始時に既にスムシが100頭以上発生していたので、
この時点ではもう発生が終了してしまっていたのかも知れません...


但し、9月中旬頃に中を見た際は噴霧した方では幼虫はほとんどいなくなっていたのに対し
噴霧していない方ではまだ幼虫がちらほら見えました。ですので、噴霧した効果はあったの
かも知れません。これに関しては再度深く調べる必要があります。


【まとめ】

●セルタンB401を噴霧した巣脾ではスムシは発生しない。
 ←B401でのスムシの予防効果は非常に大きい。
●初齢幼虫だけでなく、老齢幼虫にも一定の効果がある可能性がある。


また、試験を行っていて、夏~秋に爆発的に増加したスムシの幼虫も10月にはピタリと発生
しなくなりました。ただし、生き残った成虫はそれ以降もちらほら飛んでいました。今年は10月に入っても夏のような気温が続いていたのに関わらずこのような消長であったので、幼虫の休眠は温度ではなく“日長”に左右されているのかも知れません。ちなみにスムシは冬場は繭の状態で休眠します。繭といっても、内部には蛹ではなく“前蛹”という動かない幼虫が入っています。


以上、セルタンB401の使用報告でした。
今回の試験は8月下旬~9月下旬というスムシの発生でいうと後期での試験だったので、
次は春~夏にかけての発生前期での試験も行っていきたいと思っています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


文章・写真 藪田

2019年9月11日水曜日

スムシ予防剤(セルタンB401)のご紹介


今回は私、藪田が養蜂器具の紹介をさせていただきます。

もう9月も半ばですが、まだまだ残暑厳しい夏のような暑さが続いておりますね。

そんな中、養蜂場で猛威を振るっているのがスムシです。

 

ここでスムシとは何物なのかを紹介していきます。

まずスムシには以下の3種類がいます。

①ハチノスツヅリガ Galleria mellonella
②ウスグロツヅリガ Achroia innotata obscurevittella
③コハチノスツヅリガ Achroia grisella

この中でも、被害が甚大になるのはもっぱら①のハチノスツヅリガです。

成虫は2cm程度の蛾で、幼虫が集団でミツバチの巣を食い荒らします。

産卵数がとにかく多く、孵化した幼虫は1ヶ月程で一気に成虫になり、 爆発的に増えます。

活動が活発になる時期は4月~10月で、特に被害が大きくなるのが真夏~秋にかけてです。蜂が入っている巣箱にはあまり発生しませんが、巣箱から抜いて保管している巣にはあっという間にスムシだらけになってしまうということが良くあります。

成虫 夜行性なので昼はこのようにじっとしています

卵 少し分かりづらいですが、手前に見えるつぶつぶが全て卵です とにかく産卵数が多いです


幼虫 堅いベニヤ板もこのように舟形に削ってしまいます...

集団で繭をつくる多数の幼虫 

 
今回はそんな厄介者のスムシの発生を予防する薬、商品名「セルタンB401(120ml)」を紹介していきます。この薬は特殊な菌をベースに作られており、特定の生物だけに特異的に作用して発生を防ぎます。ですのでスムシには効果絶大ですが、ミツバチや人間には害がありません。

さらに良いことに、化学物質ではなく天然の成分なのでハチミツやミツロウに有害な物質が残留することもないので、薬剤の残留に関して気を使う心配もありません。
 

参考までに、菌の詳細は以下の通りです。
 
Bacillus thuringiensis(バチルス・チューリンゲンシス)

チョウ目、ハエ目、コウチュウ目の幼虫に有効。結晶性タンパク質が昆虫腸内のアルカリ性消化液で分解されると毒素になり、上皮細胞に作用、幼虫は卒倒病を起こして死ぬ。この菌を用いて作られた薬剤をBT剤と呼ぶ。天敵微生物を利用した生物農薬の一種。 

使用方法ですが、巣箱から取り出した巣碑を長期間保管する場合に、巣碑の表面に希釈したB401を噴霧します。たったそれだけでスムシの発生を防ぎます。

 
実際に使用する際の作業手順を紹介していきます。

まずはこの3点を準備して下さい。

・セルタンB401(120ml)

・計量カップ

・霧吹き



使用前にはこのように容器をよくふってください。



中身はこんな感じの茶色い液体で独特な香りがします。



次に水で希釈するのですが、希釈割合はB401:水=1:19です。

今回は200mlの溶液を作るので計量カップへ水を190ml入れ、そこに10mlのB401を注いでいきます。

 

かき混ぜるとこんな感じで、ミルクティーのようになります。
 
 

これを霧吹きの容器へ入れていきます。
 

 

次に巣碑を準備します。




これに霧吹きで両面にまんべんなく噴霧していきます。


 

噴霧した様子です。

 

噴霧した後の巣碑は風通しの良い場所で数時間程度乾かしてください。



乾いた巣碑は空の巣箱などに入れて保管してください。

これでスムシはわかなくなります。

 

今回は、実際にどれくらいの効果があるのか試験をするためにB401を噴霧した巣碑を10枚、噴霧していない巣碑を10枚準備し、経過観察を行うことにしました。
 
また、B401は小さな幼虫には効くが、幼虫が大きくなると効かないようです。これも検証するために、大きな幼虫が100頭以上発生している箱を用いて、B401を噴霧したもの、していないものをそれぞれ1箱ずつ準備しました。

以下試験の様子です。

 
試験の経過報告についてはこちらの記事をご覧ください。
http://api-beeblog.blogspot.com/2019/11/b401.html

商品に関してはコチラ、APIホームページの総合カタログをご覧ください。
http://www.api3838.co.jp/apiculture/index.html

文章・写真 藪田