2021年10月28日木曜日

原油価格とビーフライ

 皆様こんにちは。森田です。

原油の値段が上がっています。

重油・ガソリン・軽油・灯油 軒並み高騰しています。

施設園芸では冬に向け加温のために燃料が必要になりますので今年は非常に厳しい冬になると見込まれています。

しかし施設園芸を営んでいらっしゃる皆様、そんな時だからこそ “ビーフライ” をお勧め致します。

ビーフライキャラクター ひろずきんちゃん

“ビーフライ” とは農業用受粉ハエ(ヒロズキンバエ)を使った新しい花粉交配の商品です。

お勧めする理由はズバリ『ビーフライは活動温度帯が広いため』です。

マルハナバチやミツバチが活発に活動する温度帯は約15℃~約28℃に対し、ビーフライは約10℃~約35℃です。

従って、さほど加温しなくても花粉交配してくれるので燃料費の節約につながります。

アピではミツバチとの併用をお勧めしていますが、ビーフライだけでも花粉交配を行う事は可能です。

ミツバチと併用の場合は10㌃あたり1パック~2パック、ビーフライだけの場合は10㌃あたり4パック~5パックを導入してください。

利用可能な作物はイチゴ、マンゴーなどです。

(ウリ科(スイカ・メロンなど)やナス科(ナス・トマト)などにはご利用になれません。)

皆様、この冬はビーフライで燃料費の節約を致しましょう。


【他にもありますビーフライのメリット】

・雨天や曇天でも活躍してくれる。

・訪花が優しいため花や果実を傷付けず奇形果の発生が少ない。

・人を刺さない。

・安価で安定供給が可能。

・エサやりなどのメンテナンスフリー

・サナギで出荷、ハウスに置くだけ。

・廃棄処分がらくらく

※ビーフライはもともと医療で利用されているハエですので大変クリーンな環境で生産されています。


ビーフライに関するお問い合わせはアピ㈱まで

アピ電話番号:058-271-3838

営業時間/午前8時30分~午後5時30分

休日/土曜、日曜、祝日


お求めはお近くの農協様、種苗店様、販売店様へお問い合わせください。


では。





大義のある道具をどうぞ

皆様こんにちは。森田です。 
今回は養蜂器具のご紹介を致します。

ご紹介するのは養蜂家の七つ道具とも言える『ハイブツール』です。
養蜂家の間では通称『ツール』と呼ばれています。
一般的に“ツール(TOOL)”とは工具全般の事をいいますが、養蜂における『ツール』は金属製のヘラのような形状のものを指します。
『ハイブツール』は巣箱内の巣板を押したり、こびり付いた蜂の巣を削ぎ落したり、プロポリスで開きにくくなった蓋をこじ開けたりと大活躍してくれます。
シンプルな形状ですが万能であるため養蜂家はこれをTHE『ツール』と呼ぶのだと理解しています。

ところでピンクリボンキャンペーンをご存知でしょうか。
ピンクリボンキャンペーンとは乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診などを推進して尊い命を救うための活動のことで世界規模で活動が行われています。
そしてピンク色のリボンはそのシンボルとなっています。
10月1日はピンクリボンデーに制定されていて各地のランドマークがピンク色にライトアップされているのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。

『ハイブツール』とピンクリボンキャンペーン、何の関係があるの?とお思いでしょうが、実は関係があるんです。
アメリカのMannLake社がピンクリボンキャンペーンの一環として『ピンクハイブツール』を製造しているんです。
MannLake社は養蜂器具を製造販売している会社で、アピではMannLake社の製品を取り扱っており、『ピンクハイブツール』を販売しています。
そしてアピがMannLake社から輸入している金額の一部を全米乳がん財団に寄付していますし、皆様が『ピンクハイブツール』をご購入いただいた際には購入金額の一部を日本対がん協会に寄付しております。


実は私も『ピンクハイブツール』を愛用しています。
全長が約250mm、板厚が約2.5mmですのでかなりしっかりした作りです。
以前使っていたハイブツールは一回り小さかったので、始めは「大振りで使いづらいかな」と感じましたが思いのほか使いやすく、今ではこのサイズでないと物足りません。
はっきり言ってお勧めです。
また『ピンクハイブツール』を愛用することで「世界のどこかで暮らす女性を助けてあげられたかもしれない」と思うと作業にも身が入ります。
とても気に入って使用しています。

5、6年愛用していますのでエイジングがいい感じです。



『ハイブツール』の買い替えをご検討されている養蜂家の皆様 このような大義のある道具をお使いになってみてはいかがでしょうか。

ご注文はお電話で承っております。
電話番号:058-271-3838
営業時間/午前8時30分~午後5時30分
休日/土曜、日曜、祝日


では。

2021年10月19日火曜日

忍び寄る悪魔

いきなりですが、養蜂家の方々で巣箱を内検していてこんなものを発見したことはないでしょうか?
今回はこの生き物が何者なのかを詳しく暴いていきます。

正体は「」なのですが、ポイントとなるのが実は2種類存在することです。上の写真のように鱗粉が剥げてボロボロになってしまったものは判別することが少し難しくなりますが、極稀に綺麗な状態で見つかる場合があります。今回は私が作業中に捕獲したその綺麗な状態のものを用いていろいろ紹介していきます。

その蛾はこんな姿をしています。
後翅と腹部の黄色い模様が鮮やかですね。また、腹部の中心に走る青い線も美しいです。触ると「キィキィという感じで鳴きます」

そして、この種の最大の特徴は何と言っても「胸部背面のドクロ模様」です。
この蛾の和名はメンガタスズメといい、面(顔)のような模様を有するスズメガという意味です。

「羊たちの沈黙」という映画ではこの蛾が謎を解く重要な手掛かりになっており、ポスターにも大々的に描かれています。

学名はAcherontia styx medusaといい、属名のAcherontia(アケロンティア)はギリシャのアケロ―ン川のことを示していて、種小名のstyx(ステュクス)はギリシャ神話において地下を流れているとされる大河、あるいはそれを神格化した女神を示しているそうです。いずれの川も、古代ギリシャ神話では死を象徴する物であり、世界的に見ても不気味・不吉な蛾というイメージが強いようです。

では、次にもう1種の方を紹介していきます。

もう1種の方はクロメンガタスズメ Acherontia lachesisといい、外観はこんな感じです(少し鱗粉や毛が剥げてしまっていますがお許しください)。
上記のメンガタスズメとは同じAcherontia属ですので非常に似ていますが、いくつか判別ポイントがあります。

まずはこちら、後翅の黒帯が明らかに太いです。
和名の“クロ”メンガタスズメの由来でもあります。
そして、腹部の黄色部分の面積が小さく、青い色彩が大部分を占めております。
胸部背面のドクロ模様も異なっていて、次の写真は左がクロメンガタスズメ、右がメンガタスズメなのですが、クロメンガタスズメの方が赤や白の毛の割合が明らかに多いです。
それ以外にも、クロメンガタスズメの方がやや大きいことが多いように感じました。そこでこれらの個体の体長(頭頂~腹部先端まで)を測定してみると以下のようになりました。

・メンガタスズメ…49㎜
・クロメンガタスズメ…55㎜

やはりクロメンガタの方が大きいですね。

また、本種はもともと南方系の種で、日本では以前は九州以南でしか生息していなかったのですが、2000年前後からどんどん北上を続けて生息範囲を拡大しているそうです。実際、私も高校生の時に庭で初めて見つけ、北上の一途を目の当たりにしたことがあります。
実に強靭な脚です。

日本に生息するメンガタスズメの仲間はこの2種ですが、ヨーロッパにはヨーロッパメンガタスズメAcherontia atroposという別種が生息していて、「羊たちの沈黙」で描かれているのは実は上記の2種ではなくこちらの種だそうです。

では何故、こんな大きな蛾がミツバチの巣箱の中に入っているのか、それはこれらの蛾がハチミツを餌にしているためです。スズメガの仲間はストローのような口吻が異常に長い種が多いのですが、メンガタスズメ類は逆に非常に太短くて硬い口吻を有しています。次の写真のような感じです(ちょっとわかりずらいですが)。
採餌の際は夜間、巣箱の入り口から侵入してその硬い口吻で蜜蓋に穴をあけてハチミツを吸うらしいのですが、実際にその現場を見たことはありません。もし、養蜂家の方々でそのような現場を見たことがある方がおりましたら是非教えて頂きたいです。

しかし、この侵入の際に巣内のミツバチにばれて殺されてしまう場合が多々あるようで、冒頭の写真のものは全てそのようなミツバチの逆襲に遭ってしまったものです。そもそも、あんな大きな体をしながらどうやって小さな巣門に入り込んでいるのかも非常に謎だったりします。


私的にはクロメンガタスズメよりもメンガタスズメの方が好きなのですが、皆さんはどちら派でしょうか?


文章・写真 藪田

お問い合わせはアピ㈱TEL:058-271-3838まで

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