本日の担当は藪田です。
最近は何かとスズメバチの記事が多いですね...
それもそのはず、川島養蜂場ではなんと7種類ものスズメバチが生息しているのです。
しかもこの時期は働き蜂の数が増え、大きな個体ばかり...
今回はその中でも特に判別がややこしい4種を紹介していきます。
まずは『 ヒメスズメバチ』
名前は「ヒメ」ですが、実は日本に生息するスズメバチの中では2番目に大きいのです。
この種は生態が変わっていて、アシナガバチの巣だけを襲う偏食家です。
大きさの割におとなしい種類で、ミツバチを襲うことはありません。
見分けるポイントはお腹の先端が黒いことです。
ほかのスズメバチは皆お腹の先は黄色いのです。
次は 『コガタスズメバチ』
名前の通り、やや小型のスズメバチですが、8月以降はかなり大きな個体も出てくるので
大きさだけで判別するのは難しいです。
この種は巣が特徴的で、よく家の屋根や生け垣にトックリ状の巣を見かけますが、それが本種です。ただし、巣が大きくなってくるとそのトックリ部分はなくなり、球体状の巣になります。
小型ですが攻撃性はやや強いです。
次は 『モンスズメバチ』
ほかの種とは異なり、腹部がしましまにはならず独特な模様が入ります。
この模様は個体差があり、コガタスズメバチと見分けがつかない個体も多いです。
モンスズメは他種よりも幅広な印象があるので、そこでも判断がつきます。
特徴的な習性としては以下の2つがあります。
①セミを好んで捕食する(私はまだ見たことがありませんが...)
②日が暮れて暗くなってからもしばらく活動する。
②の習性は結構恐ろしく、夜にキャンプ場の明かりに来たものをアブかと思って触ろうと
したら本種だったという経験があります...
実は東南アジアにはヤミスズメバチという夜に活動するスズメバチも存在します。
恐ろしいですね...
最後はこの種、 『オオスズメバチ』
名前の通り、最も大きいスズメバチです。
攻撃力はダントツで大きく、ミツバチの巣を集団で襲うのはこの種です。
初期に出現する働き蜂は小さく、コガタスズメバチと見分けがつかない程ですが、
8月に入ると大型個体が出現するようになり、お盆あたりからミツバチの巣を集団で
襲い始めるので注意が必要です。
巣は他種と異なり地上部には作ることはなく、地下(土の中)に巣をつくります。
《補足》
7月~8月上旬の間は大きくないオオスズメバチと大きめのコガタスズメバチが一緒にいて
見分けに苦労するので、見分け方のコツを紹介します。
見分け方は2つあります。
次の写真をご覧ください。
上がオオ、下がコガタです。
このように、体のサイズに関係なく、オオは矢印部分が幅広く、コガタは狭いです。
2つめはお腹の模様です。
以下の写真をご覧ください。
こちらも上がオオ、下がコガタですが、オオには矢印のように一か所だけ黒いシマシマ
模様が細い部分があります。
以上、川島養蜂場で見られるよく似た4種の紹介でした。
この中でミツバチを襲うのはコガタ、モン、オオの3種です。
コガタとモンはオオのように集団で巣を襲うことはなく、単独で1頭ずつミツバチの成虫を
狩っていきます。1頭ずつとはいえ、襲う個体数が多ければそれだけのミツバチが減る訳
ですからあなどることはできません。
一方で、オオスズメバチのミツバチの被害は時として甚大なものになります。
これが襲われた写真です。つい今週頭の出来事でした...
1度場所を覚えれられると、どこからともなく次から次へとやってきて襲います。
そんな時活躍するのがこれです。
『熊蜂捕殺器』
取り付け後、早速第1号が捕獲されました!
詳しい取り付け方はこちらをご覧ください。
後は、こんなものも効果を発揮しますよ。
『ネズミ取り用粘着シート』
襲われた巣箱付近に置いておくとどんどん捕まっていきます。
最初に捕まった個体がおとりになって後から来た個体も次から次へと粘着シートの餌食に
なっていきます。
以上で紹介を終わります。
養蜂場でスズメバチに困っている方は、是非とも参考になさってみてはどうでしょうか?
文章・写真 藪田
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