皆様こんにちは。
本日の担当は藪田です。
今回は、以前紹介したスムシ予防剤(セルタンB401)の試験結果を紹介します。
まずは試験内容の復習から。
【目的】
セルタンB401のスムシの予防効果を検証する
【方法】
試験①
セルタンB401を噴霧した巣碑としていない巣碑でスムシの発生状況を調べる。
試験区:噴霧した巣碑10枚
対照区:噴霧していない巣碑10枚
期間:2019/08/16~2019/09/30
試験②
既にスムシが発生してしまった巣にも効果があるのかを調べる。
←小さな幼虫には効果があるが、大きな幼虫には効果があまりないらしいのでそれに関して
も調べる。
試験区:噴霧した箱
対照区:噴霧していない箱
※試験区・対象区共に100頭以上のスムシの老齢幼虫が発生しているものを使用
期間:2019/08/16~2019/09/30
こちらは試験開始時の写真です。
右側の4箱が試験①で、左側の2箱が試験②です。
以下試験結果の報告です。
今から箱を開封しますよ~ ドキドキですね!!!
まずは試験①から
試験区(噴霧した方)の写真
!!!
なんと、全くスムシが発生していませんでした!
多少食い痕がある巣もありましたが、小さな幼虫達は皆このように死亡していました。
次は対照区(噴霧していない方)の写真
!!!
試験区とは異なり、こちらは大量のスムシが発生しておりました!
こんな感じで中を見るともうスムシだらけです。
白い糸状のものは幼虫が出した糸で、いわゆる“スムシの巣”です。
拡大するとこんな感じです。
もうボロボロですね...
成虫も内部でたくさん発生していました。
次は試験②の結果です。
この2枚の写真はそれぞれ試験区(噴霧した)と対照区(噴霧していない)のものですが、
どちらもスムシはほとんど発生していませんでした。
試験①とは違い、こちらは試験開始時に既にスムシが100頭以上発生していたので、
この時点ではもう発生が終了してしまっていたのかも知れません...
但し、9月中旬頃に中を見た際は噴霧した方では幼虫はほとんどいなくなっていたのに対し
噴霧していない方ではまだ幼虫がちらほら見えました。ですので、噴霧した効果はあったの
かも知れません。これに関しては再度深く調べる必要があります。
【まとめ】
●セルタンB401を噴霧した巣脾ではスムシは発生しない。
←
B401でのスムシの予防効果は非常に大きい。
●初齢幼虫だけでなく、老齢幼虫にも一定の効果がある可能性がある。
また、試験を行っていて、夏~秋に爆発的に増加したスムシの幼虫も10月にはピタリと発生
しなくなりました。ただし、生き残った成虫はそれ以降もちらほら飛んでいました。今年は10月に入っても夏のような気温が続いていたのに関わらずこのような消長であったので、幼虫の休眠は温度ではなく“
日長”に左右されているのかも知れません。ちなみにスムシは冬場は繭の状態で休眠します。繭といっても、内部には蛹ではなく“
前蛹”という動かない幼虫が入っています。
以上、セルタンB401の使用報告でした。
今回の試験は8月下旬~9月下旬というスムシの発生でいうと後期での試験だったので、
次は春~夏にかけての発生前期での試験も行っていきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文章・写真 藪田