皆様こんにちは。藪田です。
今回はビーフライ羽化促進装置「BフライヤーⅡ」の商品紹介をさせていただきます。
弊社の商品でビーフライという花粉交配用のハエを販売しているのですが、このハエの主な出荷時期は秋~春にかけてとなります。ビーフライは以下の写真のようにパックに入った蛹の状態で出荷を行うため、到着後はまずは羽化させる必要があります。
羽化にはある程度の温度が必要で、25℃±5℃くらいの範囲が適温です。それより低い温度(目安としては10℃前後)では羽化にかなりの時間がかかってしまう上に正常に羽化できる個体の割合が減少し、逆にそれよりも高い温度(目安としては40℃前後)になると蛹が焼けて死んでしまいます。
上記の適温で管理した場合、ビーフライは入荷後2~3日くらいで一斉に羽化が始まります。
しかし、出荷のシーズンである冬場は気温が低く、ビーフライを使用するハウスの中で上記のような適温を保つのは非常に困難です。そんな時に活躍するのが「BフライヤーⅡ」です。
この商品の基本構造としては、ヒーター、そしてその熱を保つ発泡スチロールから構成されており、そこにビーフライのパックを入れることで適温を維持し、羽化を促進するというしくみとなります。
今回はBフライヤーⅡの実際の使用方法を紹介していきます。
まず、BフライヤーⅡの商品構成は以下のようになります。
①発泡スチロール箱
②ヒーター
③設置台
④遮光フィルム
使用時はまず、ヒーターを箱の底面に敷いて下さい。
箱には左右に穴がくりぬいてあり、この穴にヒーターのコードを沿わせて下さい。左右どちらの穴に通して頂いても大丈夫です。
次に設置台をヒーターの上に置いて下さい。
※ヒーターに直接ビーフライのパックを置いてしまうと蛹が高温になり死亡する恐れがありますので、必ず設置台を設置するようにして下さい。
次はその上に新聞紙を敷いて下さい(新聞紙がなければ紙やキッチンペーパーでも問題ございません)。
その上にビーフライのパックを置いて中身の設置は完了です。
パックは最大6個まで置くことができます。※この時に必ずパックの蓋は外した状態にして下さい。蓋がされたままだと羽化してきた成虫が外に出れずに死んでしまいます。
この後は箱の蓋を閉じ、以下の写真のように遮光シートを上に被せて台の上に置いて下さい。
※寒い季節であっても、昼間の日光が当たったハウスでは中の温度がかなり高温になる場合がございます。遮光シートはそのような光による高温を防ぐためのものです。また、左右の出口穴が塞がれてしまうと羽化した成虫が出れなくなってしまうので遮光シートは必ず写真の向きで設置して下さい。
※地面付近に置いてしまうとクモやアリ等の生物に襲われてしまうことがあるので、なるべく台の上など地面から遠ざけた場所に置くことを推奨します。
後はコンセントに繋ぎ通電を完了させたら準備完了です。
およそ2~3日後くらいに成虫が羽化してきます。羽化した成虫は側面の出口穴(ヒーターのコードを通した穴とは反対側の穴)から出てきます(写真参照)。
【注意】
BフライヤーⅡはサーモスタット機能がありませんので、ハウス内温度が25℃を超えてきたら電源をOFFにして下さい。
BフライヤーⅡの使用方法の紹介はこちらミツバチ課のYouTubeチャンネルでも紹介しております。こちらでは動画の最後に今回の記事では触れなかった箱の解体方法についても少し紹介しておりますのでもしよろしければこちらも合わせてご覧ください。
ビーフライの羽化のポイントに関するブログも以前に私がこちらで紹介させて頂いております。
https://api-beeblog.blogspot.com/2021/02/blog-post.html
もう少しでビーフライの出荷シーズンに入ります。羽化にお困りの方は是非こちらの「BフライヤーⅡ」をお考えになってみてはいかがでしょうか。
文章・写真 藪田
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